UCと食事

 
 UCとたたかっていくうえで、いちばん辛い事は食事制限だと感じる方も多いのではないでしょうか。特に若い方は肉やこってりしたものを食べたくてしょう がない時期ってありますよね。でも、UCに対する食事制限は、コツをつかめばそんなに苦にならなくなってきます。基本的に健康食を採っていればいいので、 体のためと思えばむしろ積極的にやっていきたいところです。あと塩分を控えなくていいのは大きいですね。味付けはそんなに気を付けなくてもいいわけだし、油の種類によっては摂っても平気なので、他の病気の食事制限よりずいぶんと楽なんです。なのであまり辛いと思わず気楽に行なってください。

 基本的には、低脂肪・高タンパク・高カロリーを心がけてください。 脂質はUCの病状を悪化させる原因になります。傷ついた腸壁を直してくれるのはタンパク質です。UCの症状があるときは体が炎症を治そうと働くので、多く のエネルギーを消費します。それを補うために高カロリーを摂取しなければなりません。また、症状が出ていない緩解期は、暴飲暴食だけしないように気を付け ていれば、あまり厳しく制限する必要はないと言われています。

 食事制限するにあたっては、まず自分にとってどの食材がダメでどの食材ならOKなのか、なんとなくでいいので分かっておく事が大切です。以下に食品をリスティングしましたので参考にしてください。

食べて良いもの・悪いもの
 基本的には、脂質・刺激物・消化に悪いものは避けるべきだとされています。食物繊維は水溶性のものはOK、不溶性のものはNGとされていますが、そんなに気にする必要もありません。むしろ、食物繊維を摂ったほうが腸内環境が整えられ、UCに対して有効であるという調査結果もちらほら出てきているみたいなので、一概に悪いとは言えないようです。(油に関しては詳しく後述します。)

 以下で、管理人が食べて大丈夫だったもの・ダメだったものを紹介します。それらはすべて管理人自身の人体実験による結果が根拠になっています。そのため、管理人が大丈夫だった食材でも人によっては合わないということもあるかもしれませんので、注意していただきたいです。
  
 ※人体実験の方法は、再燃したあと数週間後、注腸などで血便が収まった頃を見計らって禁止されている食べ物を1〜2日食べ続けます。(ぜったいマネしてはいけません)。 その後、血便が再開するかしないかで判断します。血便が出なかった食品は、数日〜数週間食べて体調が悪くならないようであるならOKと判断します。一度に 調べられる禁止食品は1つのみです。何が原因か分からなくなるからです。こんなことを数年続けて、以下の食品を自分なりにリスティングしました。参考にし てください。



食べて良いもの


 主に管理人の経験から、食べて大丈夫だったもの・食べたほうがよいものを紹介します。
こっこ
とり肉(胸・ささみ)
 ほぼ毎日たんぱく質源として食べていますが、まったく問題ありません。鶏も肉なので消化に悪いと思いがちですが、ささみとむね肉(皮なし)は脂質がほとんど無いため、消化に時間がかからないんです。UCの食品リストにも、「食べていいもの」として載ってますね。
 UC患者にとってたんぱく質を摂取することは重要であると述べましたが、低脂肪で高タンパクな鶏むね肉とささみは、すべての食品の中で一番食べるべき食材だと思います。なのでじゃんじゃん食べてください。おいしいですよ、鶏肉。
 ※むね肉に皮が付いている場合は取り除いてから調理してください。


ハムハム(低脂肪のやつ)
 毎朝サンドウィッチにして食べていましたが、問題ありませんでした。ハムはUCの食事リストにおいて「控えたほうが良い」に分類されていたりしますが、低脂肪のものならそう心配する必要もありません。スーパーなどで、「脂質97%カット」みたいな商品が売ってますので試してみてはどうでしょう。ただし、肉の加工品はUCがどうのこうの以前にあまり健康に良い食品ではありませんので、食べ過ぎは注意です。また、炎症時は控えた方がいいかもしれません。


牛乳・ヨーグルト・乳製品(無脂肪・低脂肪うし
 UC関連の本に「乳製品は食べちゃダメ」と書いてあったりするのを見ることがありますが、たぶんあれはウソです。なぜなら管理人は毎日牛乳を飲んでヨーグルトを食べていますが、それでUCが悪化したことは1度もないからです。ただし、
牛乳やヨーグルトはそのままだと意外と脂質が高いので、低脂肪または無脂肪のものを選びましょう。脂質をカットすることはUCに対してとても有効な治療法です。
 しかし、人によっては乳製品に多く含まれる「乳糖」を上手く分解できずに、下痢などの症状を起こす、乳糖不耐症の方がいらっしゃいます。乳糖不耐症の方は乳製品によって腸内環境が悪化する恐れがあるので、控えたほうがいいでしょう。
ご自身が乳糖不耐症であるかどうかは、かかりつけの先生に相談すれば血液検査で調べてくれるはずです。また、乳糖を分解する酵素は生後まもなくから減少していくため、大人の腸では乳糖を分解しづらいとも言われています。
 また、牛乳やヨーグルトは冷蔵庫から出してすぐ食べることが多いと思いますので、お腹を冷やすことだけは注意してください
 牛乳・ヨーグルト以外にも、乳製品には低脂肪(または無脂肪)の製品が売っています。よく探せば、低脂肪のチーズな ども売っています。(低脂肪と言いつつあまり低くないのも売っているので、栄養表示を確認してから購入してください。)要は脂質を摂りすぎなければいいの ですから、低脂肪のものであればチーズだって食べて平気です。ただし量には注意です。食べた量と栄養表示をよく見比べて、摂取した脂質の量は確認しておき ましょう。※普通のチーズはすごく脂質が高いので控えた方がいいです。

 
なっとう
 納豆
 一言。食べて平気です。UCの食品リストには「控えたほうがよいもの」となってることが多いですが、気にしなくていいです。なぜ控えたほうがよいのでしょうか。引き割り納豆は「食べてもいいもの」に分類されています。引き割り納豆は大豆の皮を剥いてから納豆にしてあるからです。でも、大豆の皮を食べたくらいで腸に大きな負担をかけることはないでしょう。1日に4パックも5パックも食べるわけではないのですから。管理人の人体実験の結果も、全く問題ありませんでした
 話がそれますが、みなさんは普通の納豆と引き割り納豆どちらが好みですか?管理人は普通の納豆の方が好きなんです。それも大粒のやつ。引き割り納豆の方が好みという方はそちらを食べればいいのですが、中には私みたいに引き割りじゃやだ!という頑固な方もいらっしゃると思います。そんな方は、気にせず普通の納豆を食べればいいと思います。もちろん、ご自身で食べてみて違和感がないという前提ですが。
 納豆は日本人にUCという病気が発症するもっと前から食べられていたものです。そして世界に自慢できる健康食ですし、
UC患者にとって貴重なタンパク源でもあります。食品リストに惑わされず、自分でOKだと思えれば、たくさん食べちゃいましょう。


魚・魚介類
さかな
 UC食品リストには白身魚・ホタテ・カキ・はんぺん以外は「控えたほうが良よいもの」または「避けるべき食品」として分類されています。しかし、管理人は魚介類を食べてUCが再燃したことは一度もありません。(これに関してはちゃんと実験したわけではありませんが。感覚的に大丈夫です。)
 青魚は脂がのってるものが多く、注意しなくてはならないとよく書いてありますが、
そんなに気をつけることもないんです。というのも、青魚の脂にはUCの原因になるリノール酸ではなく、オメガ3系の 脂を比較的多く含んでいるからです。オメガ3系の油は、腸内の炎症を抑える作用があると言われているため、UC患者にとっては摂取したほうがいい油なの で、青魚は普通に食べてもいいと思います。しかし、青魚の油にも健康に害がある飽和脂肪酸がやはり含まれているため、青魚だけ大量に食べればいいというわ けではありませんね。
 イカ・タコ・貝類などは消化に悪いため、避けるべきと書かれていますが、普通に食べる分には問題ないです。たとえば、1人前のパスタに入っているくらいの 量のイカ・タコ・貝類を食べたところで再燃の原因になるなんてことはまず無いでしょう。あくまで大量に食べないように注意すればいいだけのことです。なので普通に食べちゃって平気です
 ちなみに、エビに関しては試してないんです。管理人があまり好きじゃないからです。もし、試して大丈夫だったとかダメだったとかあったら教えて欲しいです。


レトルカレートのカレー(低脂肪)
 普通のカレーは脂質が高く、また本格的なカレーはスパイスがたくさん入っているので、まぎれもなく避けたほうがよい食品です。でも、スーパーなどで売っているレトルトのカレーの中で、ダイエット用として売られている脂質の低いもの(脂質2〜5g/一人前)のものなら食べても大丈夫です。下血が治ってからすぐ食べましたが、平気でした

マルタイラーメンマルタイラーメン
 食事制限をしていると、どうしてもラーメンが食べたい!ってなることありませんか?そんなときのために私はマルタイラーメンを家に常備しています。この製品は一食あたり脂質2.4g、そしてたんぱく質も11gほど入ってます。脂質が凄まじく少ないですね。しかも美味しい。好きすぎて2日に1回くらい食べてましたが、UCには影響しませんでした。

にんじん
にんじん
 にんじんには豊富なβ-カロチンとビタミンAが含まれています。β-カロチンは抗酸化作用により癌などを予防し、免疫力を向上させます。ビタミンAは肌や粘膜を健康に保つ働きがあります。他にもにんじんには、ビタミンB1・Cなどのビタミン群、カリウム・鉄・カルシウムなどのミネラル成分もバランス良く含まれています。つまりはUCにもってこいの食材です。スープに入れたり、絞ってにんじんジュースにしたりしてたくさん食べましょう。

 
たまごたまご
 白身の部分はほとんどたんぱく質です。黄身の部分は脂質とたんぱく質でできています。なので、「白身=食べてもいい」「黄身=控えたほうがいい」に分類されていることが多いのですが、白身と黄身って別々に食べないですよね?個 人的な意見としては、卵くらい食べても大丈夫です。管理人の場合は、卵の黄身を食べてUCが悪化したことはありません。ただし、黄身には一個当たり6gく らいの脂質が含まれているため、一日の脂質摂取量には気を付けましょう。一日1個や2個食べる分には問題ないですし、ましてや緩解期には特に気にしなくて いいでしょう。


食べたらダメなもの

 
 主に管理人の経験から、食べてダメだったもの・食べないほうがよいものを紹介します。
 
とうがらしとうがらし
 これは禁忌。他の食品は大丈夫でも、唐辛子だけは避けているというUC患者の方も多いのではないでしょうか。とにかくできるだけ避けた方が無難です。管理人の場合、真っ赤な韓国料理を食べた翌日から下血が始まって、2ヶ月間炎症が治りませんでした。腸に大きなダメージを与えるのか、唐辛子が原因の再燃は治るのが遅い気がします。
 とうがらしなどの刺激物を口に入れたとき、「辛い」というふうに舌が認識しますよね。しかし舌が感じる味覚の種類に「辛み」という味はありません。で は、何が「辛み」を感じているのでしょうか。それは、「痛覚」です。つまり、舌が「痛い」と感じることを私たちは「辛い」と呼んでいるのです。舌の痛覚を 刺激するのだから、当然胃や腸にも影響を及ぼします。
 腸に炎症が無いときに、少しだけタバスコをかけたり一味をふったりするくらいなら問題ないと思いますが、できることなら食べない方がいいでしょう。


にんにくにんにく
 大量摂取は厳禁。香りづけにパスタや野菜と一緒に炒める程度なら問題ありません。しかしにんにくも刺激物ですので、一度に大量に摂取すると炎症を引き起こします。管理人の場合、大きめのにんにく1株をすべて入れたにんにくスープを作って、それを2日間3回に分けて間食しました。つまり、2日間でにんにく1株食べたわけです。すると翌日少量の下血を起こしました。量さえ注意していれば問題ない食材だと思います。あくまで、私のようなバカな食べ方をしないようにしてください。

たばこ
たばこ
 UCとたばこの関係性はネット上で色々と言われていますが、私個人の意見としては、NGです。 管理人の経験として、たばこを止めてしばらくはすぐに下血したりと体調が不安定でした。しかし、しばらく経つとそんなこともなくなりましたし、止めてから の方がUCの症状をコントロールしやすくなった気がします。ちなみに、私の主治医はタバコはUCに良くないとはっきりおっしゃっています。


大麻・ハシシやその類
 ぜっ たいにダメです。人によってはストレスを軽減するためとか、ファッションで吸う人もいるかもしれませんが、法律的にはもちろん、UCとしても吸ってはいけ ません。必ず悪化します。タバコより害が少ないなんて言われますが、ハシシの場合、一度吸うだけで取り返しのつかない身体的症状が出る場合があります。間違っても吸わない でください。また、脱法として売られているものも成分はほとんど同じなので、自分の体のために手を出すのはやめましょう。


UCのための食事メニュー・レシピ


困った時の野菜スープ
 現在、下痢や下血などの症状がひどく、あまり固形物を食べられない人向けのメニューです。消化に良い野菜をふんだんに摂取することで、腸内環境を整えます。簡単で美味しくヘルシーですので、元気な時でも食べてみてください。腸がリセットされて気持ちいいです。脂質ほぼゼロです。

<材料>
にんじん、玉ねぎ
その他の野菜 2〜3種(繊維の多いごぼうやセロリは避ける)
きのこ 1種〜2種

※野菜4種以上、きのこ1種以上入っていればなんでもいいです。ただ、玉ねぎは甘味、にんじんは栄養のために入れます。分量はなんでもいいです。好きな野菜を多めに入れましょう。数回分いっきに作っても、3〜4日間なら冷蔵庫で保存できます。

<作り方>
@材料をすべて1〜2cmの角切り(もしくは食べやすい大きさにざく切り)にして鍋に入れます。
A少量の水を入れ、蓋を閉めて火にかけます。(半分蒸し焼きのような感じ)
B5分ほど強火で煮ると、野菜がしなっとして天然のスープが出てきます。
これで完成!
Cあとは食べるときに一回分の量に分け、お好みのスープの素を入れたあと(野菜の味がしっかり出ているので少量で大丈夫です。)また5分ほど煮ましょう。最後に塩コショウで味を整えれば完成。
※スープ自体にたんぱく質が無いので、鶏肉や豆腐を入れると補えます。

野菜やきのこの種類を変えたり、スープの素を変えたり、生姜を入れてみたり、水溶き片栗粉でとろみをつけたりで、バリエーションは無限です。にんじんの切り方を角切りからいちょう切りに変えるだけでも雰囲気変わって飽きませんよ♪
  
トマトスープ
↑トマトとマッシュルームで洋風に

セロリと生姜のスープ
↑生姜とセロリで香味スープ

パスタ
↑スープに飽きて煮た具材が余ったらパスタにしちゃっても



油抜きでも満足メニュー
 油を使わない調理法で作った料理はどうしてもあっさりしちゃいますよね。普段はそれでもいいのですが、たまには食感があってこってりとした料理も食べたくなります。ここでは、油は使わずいつもと少し違った料理のアイディアを紹介していきたいです。(後日更新予定)

1. テフロンでパリパリ五目あんかけ焼きそば
五目そば
テフロン加工のフライパンを使えば油なしでもパリパリの麺に仕上がります。あとはお好みの野菜炒めに水溶き片栗粉でとろみを付け、麺の上にかけるだけ!今回は茶そばで作ってみました。



外食について


 UC患者の食事でもっとも気を付けなければならないシュチュエーションですね。緩和期ならともかく、再燃中はとくに注意したいところです。昼食などはできるだけお弁当を作ったほうがいいのでしょうが、毎日作るのは大変ですよね。コンビニなどで買う場合は栄養表示を必ず見て、 脂質の低い商品を買いましょう。だいたいの場合はおにぎりか巻き寿司になると思います。コンビニの菓子パンやサンドウィッチはおそるべし脂質です …。また、ウィダーinゼリーなどのゼリー飲料も脂質が少なくていいです。できるだけカロリーが高くプロテインが配合されているタイプのも のをオススメします。
 レストランに入る場合は、洋食よりお寿司、焼肉より焼き鳥にするなどご自身である程度の工夫が必要と思います。緩解期はそこまで心配する必要もないと思いますが。
レストラン
 外食するにあたっては、レストランで使われている油の量・質について少し注意を払ったほうがいいです。家庭で料理をする場合、油の質や量を意識しつつ調 理できますが、レストランや企業はそんなこと少しも考慮しないで料理や商品をつくります。家庭で食べるパスタとレストランで食べるパスタはまったく違うも のと思っていいです。ちゃんと注意してないと、思いのほか脂質を摂ってしまうということになりかねません。(このことは「油について」で詳しく記述しま す。)

間食について


あっさりとした食事ばかりとっていると、消化が早いのですぐにお腹がすいてしまいます。なので食事制限中は間食を取るという人も多いと思いますが、まち がってもポテトチップスやチョコレートなど食べないでください。栄養表示を見ればわかると思いますが、コンビニなどで売られているお菓子類にはとんでもな い量の脂質が含まれています。まあ、少しなら食べていいんですよ。でも、あっさりした食事を続けている途中に油っこいお菓子を食べると、だいたいの場合止まらなくなります。かっぱえびせん状態になりますので気を付けてください。これは本能なので止められないのです。ですので、できることなら手を付けない方がいいですね。でも安心してください。脂質が低くいお菓子類だって日本にはたくさん売ってます。

和菓子
 基本的に団子や大福などの和菓子には一切の油は使用されていないはずです。その他UCにとって危険な刺激物や繊維質なものも含まれていませんので、間食としてはもってこいです。一時期、和菓子は管理人の主食になってました(偏りすぎ)。
 ※人形焼やかりんとう、商品化されたせんべい類は脂質の多いものもあります。

マロングラッセ
 洋菓子のほとんどはバターや生クリームを使用するため、脂質は高くなるのですが、マロングラッセは栗に含まれる脂質だけですので、いっぱい食べちゃっても大丈夫です。

ダイエット版・ヘルシー志向
 ダイエット版やヘルシー志向として売られている商品の中には、脂質の低いものがあります。例えば、焼いたポテトチップスというようなコンセプトの商品もあります。

赤ちゃん用
 赤ちゃん用のお菓子はほとんど脂質が低いです。塩分も控えめになってて味が薄いのが難点ですが…。おいしいものもありますよ。「1才からのかっぱえびせん」という商品はオススメです。

ドライフルーツ類
 干しぶどうや干しマンゴー、梅干のお菓子などは口さびしいときにつまむと味が濃いので満足できます。油で揚げたバナナチップスや野菜チップスはポテトチップスと同じなので気を付けてください。
カルシウムせんべい 
その他
 脂質が低くて美味しいお菓子も、品揃えの良いスーパーなどで探せば意外と見つかります。個人的には、かしわ堂の「カルシウムせんべい」がお気に入りです。



脂質・油について詳しく


食べていい脂質・悪い脂質
 脂質には大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の二種類があります。
 飽和脂肪酸は、マーガリン、バター、パーム油、ラード、牛脂などに多く含まれます。この種類の脂質はできる限り採らないようにしましょう。再燃の原因になるばかりか、中性脂肪やコレステロールなどを増加させて高脂血症や動脈硬化を招く危険性もがあります。
 
 不飽和脂肪酸はさらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」の二種類に大別する事ができます。
 一価不飽和脂肪酸はオレイン酸(n-9系)とも呼ばれ、オリーブオイルやナッツ類に多く含まれます。オレイン酸は善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールだけを減らし、血中のコレステロール値を減らしてくれます。ヨーロッパの大規模な実験では、オレイン酸は潰瘍性大腸炎に予防的に働くという統計結果がでました。しかし、それが日本人にも当てはまるのか。また、UCの患者が摂取することで改善に向かうのか。などはまだ分かっていないようです。

 多価不飽和脂肪酸は、「n-3系脂肪酸(αリノレン酸・DHA・EPA)」と「n-6系脂肪酸(リノール酸・γリノレン酸・アラキドン酸)」の二種類があります。
 n-3系脂肪酸は、オメガ3とも呼ばれ、アレルギーの予防になったり、腸内の炎症を抑制する働きがあると言われています。αリノレン酸はしそ油えごま油、DHA・EPAは青魚に多く含まれます。UC患者にとっては優先して摂取していく脂質になります。
 n-6系脂肪酸はリノール酸・γリノレン酸・アラキドン酸の3つに分けられますが、そのうちγリノレン酸とアラキドン酸は気にする必要ありません。なぜなら、欠乏することも摂りすぎることもほとんどないからです。問題はリノール酸です。
 リノール酸はサンフラワー油、ひまわり油、綿実油、大豆油、コーン 油などの植物性の油に含まれます。これらの油は安く、加工食品や外食などで多く使われているため、過剰摂取になりがちです。50年ほど前、米国の研究によ りコレステロールを下げる働きがあることがわかりましたが、その後の研究により善玉のHDLコレステロールまでを下げてしまうという弊害も見つかっていま す。リノール酸の摂取が、UCの発症リスクを高めるという研究結果もでています。

まとめるとこんな感じ。
脂肪酸フローチャート
油と外食

 レストランで出される料理っておいしいですよね。なんでだか分かりますか?それは、油をたくさん使っているからで す。ヒトを含む動物が生きていくためには、エネルギーを確保しなければなりません。ですからエネルギー価の高い脂肪や糖分は、本能的に「美味しい!」と感 じますし、食後の満足感も高いのです。レストランや企業が料理や製品を作るときに、あなたの健康まで意識して作ったりしません。美味しく作るために、また は日持ちさせるため油をたっぷり使います。お金持ちの方で外食ばかりしていたり、不摂生な方でコンビニ食ばかり食べている人が、みんな太っているのはこの ためです。
 また、油の質も問題です。ヘルシー志向の高級レストラン以外のレストランで使われている油のほとんどが、植物油です。この油にはリノール酸を多く含み、UCにとっては大敵です。

加工食品に使われるトランス脂肪酸
 加工食品に至ってはもっと酷いです。コンビニに行って食品や菓子類の栄養表示を見てください。ほとんどの商品に「植物油」と書いてあります。この油は料理に使われる油とは少し異なります。何が違うのかというと、この油には多くのトランス脂肪酸が 含まれています。トランス脂肪酸は、加工食品に使用する油を安く生成する際に生じる脂肪酸です。トランス脂肪酸は他の脂肪酸とはまったく違った構造をして おり、自然の油にはほとんど含まれていないものです。現在日本ではトランス脂肪酸含有量の表示義務はないため、ただ「植物油」とだけ記載してあります。
 トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、心臓疾患の原因になったり、アレルギーを誘発するとも言われています。当然、UCにも影響があるでしょう。
 また、トランス脂肪酸は使い回された油にも生じると言われているので、ファーストフードなどで使われる油にもトランス脂肪酸が含まれているはずです。


脂質の欠乏症
 食事制限を頑張りすぎていると、脂質の欠乏症に陥ることがあります。体に脂質が足らなくなると、疲れやすくなったり、肌がかさかさになったりします。な ので、長期間の過度な脂質カットは考え物です。管理人は、膵炎になったときに2〜3ヵ月間ほぼ脂質の無い食事ばかりしていましたら、異常に体が疲れたり、 すぐ風邪を引いてしまったりしていました。これはこれでしんどかったです。
 1日に摂る脂質の目安量は、エネルギーの20〜30%と言われています。しかしUC患者の場合、上限の30%は摂りすぎかもしれません。UC患者が一日のどのくらいの脂質なら摂っていいかという明確な指針は無いようですが、目安としては30~40g程度らしいです。(ソース http://www.takano-hospital.jp/shikkan/index3.php?intKey=46


UCとお酒

お酒
 アルコールは腸管を刺激する作用があるので、UCには悪影響を及ぼす可能性があります。だからといって、お酒を断てっていうのはキツい宣告。人によって ですが、お酒を止めることでストレスが溜まったりするのであれば、むしろ続けた方がいいかもしれません。たしなむ程度に。
 ただし、できるだけビールなどの炭酸系は避けましょう。腸管を刺激しますし、体を冷やします。おすすめは日本酒、赤ワイン、温かい梅酒です。
 また、お酒を飲むとつい気が緩んで暴飲暴食してしまったりします。そこだけはお気を付けて。

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